ひとりごと

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出会って

わたしは彼と出会って変わった。こんな一文はありきたりだとは思う。けれど自分にはどこか関係ないのではないかと思っていた。出会ってというより彼と友達になって、というほうが正しいかもしれない。

彼と友達になったのは大きなきっかけがあった。それは友達にならざるを得ないというか、顔見知りだった何人かが急激に距離を縮めるというよりその特別な環境によって縮められた、というような出会いだった。

本当にこの機会があるまでは私と彼はただの顔見知りだった。挨拶はしたかもしれないし多少話したことはある。それぐらいで特にどう呼んだらいいのかもわからないぐらいの関係だった。

しかしこのきっかけによって私たちはとても短い期間でお互いのことをよく知るようになる。今まで通りの日常ではあり得ないほどの会話を交わして濃い時間を過ごすのだ。

そのうち私と彼は気付きだす。

「こんなに似てる人と会ったことない」と。

価値観というか物事の考え方というかなにかそのものがすごく似ていると思った。それはどちらか一方ではなく2人でそう思ったのだ。

何故だか私は彼の第一印象を覚えている。それはきっかけが起こるよりずっと前で何故覚えているのか自分自身でもわからないほどだ。堅いな〜〜と思った。優しくて良い人そうだと思った。顔も良かったけれどタイプではないし恋愛感情はなかった。

 

自分と似ている人とか居心地の良い人より自分では絶対やらないようなことをしていたり、できないことができたりそんな真逆な人に人って尊敬したり憧れて惹かれるんだろうね。

そう彼に話していた。

 

そんな私と彼は付き合うことになる。

 

確かにそのときはまだ彼を異性として好きじゃなかったのかもしれない。でもそんなことを堂々と言っておきながら、何故私は彼と付き合ったのだろう。

結局考えたところでそんなの未だにわからない。ただ自分をわかってほしかったのかもしれない。ただ認めてほしくて愛してほしかったのかもしれない。そんなときに彼が好きだと言ってくれたかもしれない。けれどそんな理由を探す前にわたしはもう彼のことが好きだった。

 

彼と付き合って1年と少し経った。

 

彼と一緒にいるととても楽で取り繕う必要もなく素でいられ、落ち着き安心する。そしてとても楽しい。お互いに感情的なわけではなく少し理性が強いところも同じだと思った。

何より好みも似ているし考えていることも。同じタイミングで同じことを言ったり、曲が流れているときに急に歌いだす部分も揃った。まるで自分といるみたいと思うこともあった。

しかし彼のことは尊敬している。わたしと似ていると思うことは多いけれど、わたしより彼はずっと冷静だし、何より笑顔がもう羨ましく憧れるほど素敵で。わたしよりとてもかわいらしい人。

だから彼のとなりにいることに怠けられないと思う。わたしは彼には敵わない。負けていることを承知でとなりにいたい。そのためには彼のまわりには勝たなければいけない。日々違う選択肢がある中でわたしを選び続けてもらわなければいけない。そう思うとこのままではなく常にバージョンアップしなくてはいけないのだ。それは大変なことだが、そんなわたしを変える原動力となる彼に感謝している。

 

今でもわたしはあのとき言った言葉と行動の矛盾に答えは出ないけれど、たぶん彼はもうそんなこと忘れているかもしれないね。

最近友人に聞いた。お互いに好き!好き!付き合おう!となるのは珍しいらしい。それならもうその時点で笑っちゃうぐらい幸せだ。

それに何かとSNSでは付き合う前の両思いかなあぐらいのときが一番楽しいんだってみた。そんなの嘘だ。付き合ってからのが何倍も楽しいに決まってる。

 

付き合ってからが腕の見せどころ。

選んでもらったからって調子に乗ってあぐらをかいてたら誰かのものになっちゃうかもよ。それぐらい君は素敵な人と付き合ってるんじゃないの?

わたしはそれだけ素敵な人と付き合ってる。